こんにちは!介護職のリアルで広報担当を務めるアズサです。 この企画では、これまで介護職で働いた方や現職の方を対象に、介護職についてのリアルな声をお届けしています。
今回は看護師になるために介護職として働き、スキルを身につけながらも上手にお金を稼いで夢を叶えたNさん(京都府・20代)にお話を伺いしました!
こういったキャリアもあるのだなぁと、介護職の幅を感じたインタビューとなりました。
登場人物
インタビュー担当介護職のリアル広報担当 アズサ
インタビュー相手現役看護師 京都府 Nさん 20代 女性
本日はお時間いただきありがとうございます!
現在は看護師として活躍するNさんは、介護士としていくつもの職場を経験されてきたと伺いました。
看護師と介護士の違いなど経験者ならではの率直な本音を聞かせていただければと思っています。
よろしくお願いします。
こちらこそどうぞよろしくお願いします。
さまざまな介護の現場で仕事をしてきた経験をお話できればと思っています。
早速ですが、Nさんは最初から看護師を目指されていたのですか?
実はうちの家族は皆、糖尿病を患っていて。
私自身も、糖尿病に罹患して、入院していた期間があったのです。
入院!?それは大変でしたね。
5年くらいかかりましたけれど、減量して今は落ち着いています。
糖尿病は自分で意識して症状を改善しなければならないことも多いのですが、やはり病院の先生の指導が厳しくて。治療には大切なことだってわかってはいたのですが、少し怖かったんですよね。
そんな入院生活の支えになったのが優しい看護師さんの存在です。親身になって話を聞いてくれたり、励ましてくれたり。看護師さんの存在があったから、つらい治療も乗り越えられたんだと思っています。
わかりますー。
白衣の天使じゃないですけれど、看護師さんは本当に素敵な方が多いですもんね。
自分も看護師さんのように、困っている人を助けてあげたいという思いが芽生えました。それで看護師になりたいと、まずは看護専門学校を目指すことにしました。
とはいえ、看護師は「なりたい!」と思ったらすぐになれる仕事ではなく、専門知識を身につける必要があります。
そこで、まずは予備校に通おうと考えたのですが、結構費用もかかるし……。家庭の事情もあって、まずは予備校の費用を貯めるのが先だ!って思ったんですよね。
すごーい!Nさんは、真面目な方なんですね。
いえいえ(笑)。
予備校の費用を貯金しつつ、勉強できる仕事はないかなーと思っていて。それでピンときたのが介護福祉士なんです。
福祉の専門コースのある高校に入学すれば、3年時点でホームヘルパー1級(現在の実務者研修)と介護福祉士の受験資格の取得ができたからです。
また介護福祉士の資格取得後に働く病院(介護施設)を決めておけば、そこから奨学金を借りられるなどサポートも受けられると聞いていました。
入学後に就職先の方と面接して奨学金の給付が決まれば、卒業後は介護職の正社員としての雇用ほぼ確定というシステムだと。実際に私も学校に入ってすぐ介護療養型医療施設の方と面接し、奨学金の給付が決まりました。
やっぱりしっかりされていますよ。
私だったらそんなに早くから進路を決められないです…。
高校を卒業してすぐ、介護療養型医療施設に勤務されたんですね。
正社員としてですか?
はい。ここで3年間、しっかりお金を貯めました。
この施設では看護師さんと一緒に介助したり、ケアしたりもできて、勉強になりましたね。
だんだん夢に近づいている感じですね^^
その後、転職されていますが、これはどうしてですか?
看護専門学校を受験する予備校の費用が貯まったので、働きながら通おうと思ったんです。
なので、もっと時間に融通の利くお仕事がないかなと。
なるほど!それで派遣社員になられたのですね。
そうなんです。やっぱり学校と仕事の両立は、正社員だと大変ですから。
それで派遣先されたのが老人保健施設です。
朝から昼にかけて働いて、夜は予備校に通いました。
忙しそう!
毎日、大変だったでしょう…。
そんな生活はどのくらい続けたのですか?
半年くらいですかね。
予備校在学中に社会人入試で看護専門学校に合格しました。
おー!!おめでとうございます。
夢への第一歩ですね。
私まで嬉しくなっちゃいました^^
受かってからも、老人保健施設での勤務は続けられたのですか?
続けていました。
予備校在学中よりも、ここからがハードで(汗)。
何しろ、平日5日間はずっと学校で、プラス土日に施設での勤務ですから。
休みは2週間に1回くらい(泣)
お聞きしているこちらもつらいです(泣)
看護専門学校は丸3年間通わなくてはいけないし、やっぱりお金も必要ですし。
何とか両立させようとがんばっていたんですが、そのうち看護実習がスタートしたら、さすがにちょっと、働くのがきつくなってきました。
それで、夜勤のみの施設を探すことにしたんです。
夜勤の人材を募集していた特別養護老人ホームがあったので、そこで働くことを決めました。
学校終わりの金曜の夜から土曜の朝まで勤務し、土曜の朝から日曜は休みというスタイルです。実質週1~2日の勤務ですね。
(涙)…。
努力家ですね、Nさん。
特別養護老人ホームでは何年ほど働かれたのですか。
2年間ですね。
いわゆる夜勤専従の働き方ですよね。
Nさんのように昼は学業や別の仕事をしている方が効率よく働くスタイルとして注目されています。
実際は、どんなことをするのか詳しく教えていただけますか?
時間としては夜の10時〜朝の7時半までで、基本的には皆、寝ています。
特に問題がなければ、巡視と体位変換、オムツの交換が仕事です。
この施設には意思疎通のできない方もいましたので、寝ている時に体位変換やオムツの交換をしたこともあります。
後は日勤の方ができなかった季節ごとの飾り付けも手伝っていました。
ただ中には昼夜が逆転していて、2時くらいに起きてくる方もいましたね。認知症を患っていて、「そろそろバス来るやろ」といきなり話しかけてくる方もいました。
夜中に起きてきた方には「もう一度寝ませんか?」と声がけはしますが、中には寝付けない方も。
その場合は、施設のリビングでお茶をしながらお話を聞いたり、散歩に出かけたりして過ごしました。
なるほどです。
夜勤はすごく大変なイメージがありますが、その辺はどうでしたか。
うーん、穏やかな日もあれば、すごく大変な日もあるという感じでしたね(汗)。
半々くらいかなあ。
この施設で、介護のお仕事は辞め、正式に看護師として働くようになったんですよね。
そうですね。看護師の国家試験を取得して、看護師として転職をしました。
現在の職場も、高校と同様、看護専門学校の入学前から奨学金のサポートを受けられる前提で入っています。
憧れの看護師として夢をかなえられ、私もホッとしました(笑)。
看護師になるまでの道のりで介護の仕事を選ばれたわけですが、介護の仕事に就いていてよかったと思うことを聞かせてください。
小、中学校の体験授業で老人施設に行った経験があり、その時にお世話して人の役に立てる喜びを感じていました。その時と同じで、「自分が誰かのために何かをできる」というやり甲斐を感じられる仕事だということですね。
その根っこの部分は看護師も介護の仕事も一緒だなと、今も思っています。
一方、介護の仕事のほうが利用者の方に触れるケアが多いですし、対応時間が長いという特徴があります。
寝たきりの方、認知症の方など接する方もさまざまです。その中での対人能力、「コミュ力」は格段にアップしましたね。
実は私のおじいちゃん、おばあちゃんが認知症を患い、母が資格をとって介護していました。その姿をずっと見てきたから、福祉や医療の仕事に憧れ、抵抗なく働けた部分は大きいと思っています。
ふんふん。ヒト対ヒトのお仕事ですから、人間力はアップするんですね!
逆に、「これは辛かったな」と思うところ、介護職の大変なところはどんな点でしょうか?
…やっぱり、仕事内容と給料が見合わないところですかね。
確かに、介護職は大変なお仕事であるにもかかわらず、待遇があまりよくないというのは以前からよく聞くお話です><。
派遣社員でも同じなのですか?
これは、他のお仕事でもそうかも知れませんが、派遣会社にもよるんですよね…。
派遣で最初に働いた老人保健施設のお給料はあまりよくなかったです。
それで、派遣会社に相談したら、待遇改善のためにかなりがんばってくれたみたいです(笑)。
最後に働いた特別養護老人ホームでは条件がよくなりました。
日勤と夜勤という違いはあるものの、1日あたり6,000円くらいの差がありましたから。ですので、介護職の派遣を考えている方は、1度働いて待遇が変わらなければ、派遣会社を変えるのも手かもしれません。あくまで私の経験ですが。
参考までに、最後に働いた特別養護老人ホームの明細をお見せしますね。
派遣会社によっても条件が異なるというのは盲点でした!
待遇が悪いと感じているなら交渉してみるのは大事ですね。あまりやられている方は少ないかもしれません。
ただ派遣社員とはいえ、時給換算すると1,700〜1,800円くらいですし一般的なアルバイトよりは全然条件が良くてびっくりしました!
言われてみればそうですね。
後は、腰に来ましたね…。
もう最初の1年から腰が痛くなりました。
とにかく、寝たきりの方のお世話をするわけですから、どうしても中腰になるんですよね。
体位変換やオムツ交換など、自分で動けない方のケアが中心だから、重労働になります。
まして夜勤になると、1人で60人を担当することになりますから、どうしても体に負担がかかります。
あらためて、心身ともに負担の大きいお仕事ですね><
では休日はいかがですか。
予備校や学校に通うなどスケジュール調整も大変だったと思うのですが。
派遣社員の時は、かなり自由に休めましたよ。
自分の都合でシフトを出せば、ほぼ認めてもらえました。
これは契約の際から話をしていたからでもあるのですが、月2日~6日まで融通も利かせてもらえました。
へえー。やっぱりお休みはしっかり取りたいですものね。
契約の際に、きちんと自分の条件を伝えておくのも大事なんですね。
ところで、Nさんは最終的に看護師に就かれたわけですが、介護職のキャリアを積んでの気づきはありますか?
キャリアパスとしてはどうでしょうか。
自分でも特殊な経歴かなとは思うのですが、看護師になるために介護職を経たのはいい選択だったと思っています。何しろ、看護師さんの間近でお仕事を見ることができますし。
私の場合、介護職をしながら看護の仕事へのモチベーションもアップしましたし、もっともっとスキルを磨きたいなーと考えるきっかけになりました。
今は条件を満たせば、介護職でも医療行為にあたるたん吸引が行えるようになっています。ただ私が働いて当時は、まだ認められていませんでした。
看護師さんの側で働くことで、そういった専門的な技術・知識も自然と身につけることができたのは大きなメリットです。
Nさんのように、看護師を目指すやる気のある方にとって、介護職を経ることはスキルアップの大きなチャンスにもなるわけですね。
それでは最後に、介護職を志す方に向けてのアドバイスをお願いします!!
看護師と介護職のお仕事は、重なる部分も多いと思います。
ですから私のように最終的に看護師を目指す方でも、介護士の派遣をしてみるのはおすすめです。
一般的なアルバイトよりは現場や実習など、学べることも多く、比較すればお給料も良いですし、自分の時間も確保しやすかったです
特に派遣社員なら、時間の融通も利かせやすいし、効率よく働きながら専門職としてのスキルも得られます。何よりも介護福祉士は国家資格ですから。
勉強して最初のハードルをクリアすれば、条件のよい仕事を選ぶことも可能です。
国家資格の中でも、取りやすい部類に入るんじゃないかな。
介護業界は慢性的な人手不足だからか、派遣社員として交渉してみると、案外条件を受け入れてもらえると感じました。
「誰かの役に立ちたい」という夢や目標をかなえるためのダブルワークとして、検討してみてもいいのではないでしょうか。
介護職は大変な仕事だけれど、やり甲斐とスキルが得られるということがよくわかりました。
Nさんのように目標を実現すべく働いている方には、ピッタリかもしれませんね。
本日はありがとうございました!
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