介護職志望者は必ず押さえるべき!社会福祉法人と株式会社の違いとは

介護施設と一口で言っても特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などさまざまな種類があります。介護職としてどうやって働きたいかを考える際、最初に気にするべき点ではありますが、そうした施設の運営母体もその次の段階でチェックしておいた方が良いかもしれません。そこで今回は介護施設を社会福祉法人が運営しているか、株式会社が運営しているか、どういう違いがあるのかをご紹介します。前者は非営利団体、後者は営利団体であり、給料や労働時間、休日、仕事内容など、あらゆる面で大きく違ってきます。

今回は株式会社が運営している介護施設と、社会福祉法人が運営している介護施設を、働く人の立場から両者の違いを比較します。

介護業界で長く働くことを考えるなら、運営母体による労働環境や方針、考え方の違いについてしっかりと把握した上で、自分に合った施設を選ぶことが重要です。

働く場所、働き方の多様化が進む介護業界

高齢化が進む中、介護施設の数が多くなり、利用者のニーズに応じて施設の形態も多様化しています。それに伴うようにして介護職の人も働く場所や仕事内容、キャリアの作り方を選べるようになってきました。

最も利用者が多いのは特別養護老人ホームなどの入所系、ついで訪問系、デイサービスなどの通所系です。特に近年では訪問系と通所系を組み合わせた小規模多機能型居宅介護なども増えてきました。その他価格が抑えられ、使いやすいことが評判のケアハウスなどといったサービスも徐々に認知度が高まりつつあります。

このように、働く場所や働き方が多様化しつつある中で、働き手の処遇や労働環境はどのように変わっているのでしょうか?客観的なデータを交えて見ていきましょう。

離職率は下がりつつあり、あえて介護派遣として掛け持ちで稼ぐ方も

介護職というとブラックというイメージがあるかもしれません。肉体的にも精神的にもキツイ仕事ですぐに辞めてしまう。そんな実情がテレビや新聞、ネットのニュースや掲示板で取り上げられているのを見聞きした経験がある方も多いかと思います。

実際に、厚生労働省の調査によると平成22年度の介護業界の離職率は17.8%。全産業の離職率は14.5%でしたので、他の業種と比較すると高い水準にありました。しかし、近年では業界全体で待遇改善なども進み、16.2%と一般産業の水準に近づいています。これは介護業界の人手不足が社会問題になりつつあることで政府が働く人たちの為に待遇改善を進めていること、また市場の拡大を見据えて労働者の為の制度を整えた民間企業の参入などが影響していると見られており、今後も同様に働きやすい環境は自然と整備されていくものと思われます。

また、介護業界では約4割が派遣社員やパート・アルバイトなどの非正規雇用と言われています。全産業の平成30年度の非正規割合は38.3%なので、これも他業種と比べるとやや高い傾向にあります。

ただし、こちらには主婦やフリーターなどの方が家庭や学業などの為にパート、もしくはアルバイトで働いているパターンも含まれており、人手不足の面からそうして働く方の人数も多く混じってしまっているのが実情です。またあえて派遣社員として複数の施設を掛け持ちしてお金を稼ぐ、スキルアップを狙っている方も徐々に増えつつある点も影響しています。 数値だけ見ると確かに厳しいところもあるようにみえますが、実際に働いている人たちを見るとそれぞれ自由なキャリアプランを目指したり、上手く人手不足の状況を活かすなどしていることが分かります。需要増、急速な市場拡大の中で個人個人の工夫の余地が大きいのも介護職の特徴でもあります。

現状の平均年齢・勤続年数・年収はどれくらい?

厚生労働省の発表によると、平成30年度の介護職の平均年齢は41.9歳、平均勤続年数は7年、月収は24万円です。全産業の平均年齢は42.9歳、平均勤続年数は12.4年、平均月収は26万円。勤続年数や平均月収はどうしても他の業種よりも低めの水準となります。

ただし、介護の需要拡大にともない、特別優遇改善加算制度なども新設するなど、国も介護業界全体の待遇改善のスピードを上げていること、また異業種も含めた大企業の参入も進んでいることから離職率も低下し、賃金も上昇傾向にあります。今後一層加速すると言われている少子高齢化により人手不足もまた進み、対策として待遇改善の動きも進んでいくと思われます。キツいイメージが強い介護職ですが、そうした動きを見据えて早期からキャリアをしっかり積み上げれば10年、20年ベースで大きな見返りも期待できるでしょう。

加えて、介護職の負担が少ない動線に配慮された施設づくりやナースコールシステムの改善、介護ロボットの開発・普及によって、労働者の体力的にも働きやすい環境が生まれつつあり、高齢になったら厳しいということはなく、長くゆったりと働けるようになっています。

よくキツイし、低賃金だと言われている介護職ですが、こうした官民挙げての取り組みにより、高待遇でしっかりとキャリアを積み、長いスパンで成長できる仕事へと変りつつあるのです。

株式会社で働く場合

介護需要の拡大に伴い、異業種を含む大手企業が次々に介護業界に参入しています。また、中小企業であってもお風呂など何かに特化したサービスを提供するなどの工夫で人気を掴むケースが増えてきています。

前提として株式会社は利益を追求する民間の企業であり、介護事業もいわゆるビジネスとして行ってます。もちろん介護職である以上、常にノルマに追われるということは考えにくいですが、それでもアンケートなどの形で評価を可視化されたり、より高品質なサービス、また接客などの各種スキルを求められることは考えられます。その分給与面、待遇面では期待できる点もありますし、厳しい環境の中でマネジメント能力を培える機会に恵まれればより希少価値の高い人材として輝ける可能性もあります。
その為、安定感よりも待遇を重視したい、または将来的に経営や運営側を目指したいといったキャリアプランをもっている方にとっては魅力的かもしれません。

株式会社系では比較的自由度が高い

株式会社が運営する介護施設は企業独自のカラーを活かしたサービスを提供しているのが特徴です。たとえば入浴に特化したデイサービスを運営している企業や、コンシェルジュ制度を取り入れて高級ホテルのような質の高いサービスとリッチな雰囲気を提供する有料老人ホームなど、企業ごとに個性が感じられます。民間企業が運営しているので、施設運営の自由度は高めであり、アイデア次第の自由な気風に溢れています。

また、10年ほど前から異業種の大企業も持ち味を生かして参入するケースが増えてきています。牛丼のすき家で有名なゼンショーは外食産業としてのノウハウを活かして、より美味しく、かつ健康に良い食事を売りにした施設を運営しています。警備で有名なセコムはその圧倒的な資本力と警備のノウハウを活かし、異常があれば高齢者の方がどこにいてもすぐに駆け付けられる、そうした地域連携型のネットワークシステムの構築などに取り組むなどそれぞれならではの視点を持って介護業界に参入しているのです。本業と成長業界での二足の草鞋で活躍する企業を目指すことで、安定した資本の恩恵を受けつつ、やりたい介護を実現できる可能性も存在するでしょう。

働き手にとっての株式会社とは

労働環境がルール化されていたり、教育制度などもきちんとマニュアル化されているなど、入り口がしっかりしているケースが多いことが挙げられます。また資格取得支援や資格手当がある会社や、会社独自の資格制度や試験などがあってステップアップの目安がわかりやすいのが特徴です。給料面においても勤続年数に準じてしっかり昇給されるなど、企業らしい労働者としての取り扱いは期待できるでしょう。

ただし、一般企業と同じようにということで異動や転勤などが多い会社もあります。介護職から事務職や営業職などに回されるケースも少なくありません。介護職の一面としては高齢者の方と寄り添うようにして働ける、人付き合いが好きな方に向いているという部分もある為、そうした方にとっては少し方向性が異なるかもしれません。運用母体が株式会社である場合介護職として現場で腰を据えて働くというよりは、将来的に運営や企画、経営など、その経験を生かして働きたいという考えの方が向いている可能性があります。

社会福祉法人で働く場合

社会福祉法人は社会福祉事業を行うことを目的として設立される公益法人として公共性が高い点が特徴に上げられます。そのため、株式会社であれば大きな負担となる固定資産税などの税制上の優遇措置が受けられる、また公的な資本援助も期待できるといったことから運営上の安定性も高いです。

安定した基盤により、働きやすい環境であることが多い

公的な社会福祉法人に求められるのは事業継続性、サービスの安定性です。反面、あまり大きな利益は出さないように求められていることもあり、結果として貯金不足から投資などのチャレンジが難しく、設備が古びたままであったり、働く方の給与面などにて上手く報いることが出来なかったりという傾向が過去にはありました。

しかし、近年では利用者・従業員の満足度向上のため、公的な助成制度を活用しながら最新の設備を導入する、時短勤務制度を取り入れるなど、社会情勢に適応した取り組みを行う社会福祉法人も増えてきています。

給与面においても株式会社並みの定期昇給や賞与、手当の拡充などを推進している施設も徐々に増えつつあります。従来の厳しいイメージを払拭するべく政府や自治体など、社会全体が一丸になってサポートを行ってきた成果が現れ始めており、給与待遇の改善と従来の安定性が合わさった魅力的な運用母体として変わりつつあるということです。

キャリアとして見た場合

社会福祉法人の多くは地域に根ざした経営を行っており、近隣の教育機関や催し事などに協力したりということも多いです。言い換えると転勤や異動が少なく、介護職員もしっかりと腰を据えて長く働きやすい環境で仕事ができるというメリットがあります。介護職という仕事はもとより高齢者などの方としっかり向き合うようにして働きたいという方も多いですが、そうした方にとってはまさしく望ましい環境と言えるのではないでしょうか。

また将来性という視点で捉えた際に、民間と違い、ビジネスモデルとしての介護ではなく公としての介護を考えられるのが大きな違いとなります。
日本の3分の1が高齢者とされることが現実的になり、様々な場面で介護、福祉的な視点が求められることとなります。その時に高齢者の方の気持ちを長い時間をかけて理解した方の意見こそが問題解決に最も貢献できるようになるでしょう。

それぞれの傾向とやりたいことの違いについて

結論から言うとビジネスとして、利益としての介護への考え方は一人でも多くの人を満足させる為に必要になるものとなるでしょう。一人の方が払える金額に限りがある以上は当然であり、大切な考え方となります。
それに対し、公としての介護は地域に生きる多くのお年寄りの方々に寄り添い、最後まで快く過ごしてもらうにはどうすればよいのかを考えることになります。そういった意味では対照的に、一人一人と深く向き合うことにもつながるのですが、そこでの経験もまた他では得難い大切なキャリアとなることと思われます。

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