介護の仕事はどう変わる?大変になる?楽になる??高齢化から考える介護のミライ

急速に進む少子高齢化。2025年には65歳以上の人口が3,600万人を超えて、ほぼ3人に1人が高齢者という状況になりつつあります。それに伴い、高齢者の方がお金を使う市場も100兆円を超えると予想。当然ながら介護の需要も急激に伸びています。そうしたなかで、介護職の働き方も目まぐるしく変化していくことでしょう。

これから介護職の労働環境がどのようになっていくか?仕事は大変になるのか?はたまた楽になるのか?考えてみましょう。

高齢者市場の急速すぎる拡大

世界的に見ても突出した高齢者社会

日本は世界でも突出した高齢化社会で、2019年度の全人口に占める65歳以上の高齢者の割合は28.4%。すでに3割近くにもなっています。全世界の平均は10%程度なので、いかに高い水準であるかがわかるかと思います。

介護保険の総費用も2000年度は3.6兆円だったのが、25年は21兆円と7倍近くに膨れ上ると予想され、現役世代2人で1人の高齢者を支えるという状況になりつつあります。

少子高齢化で働き手の不足や現役世代の負担率増などさまざまな問題が危惧されているのも事実。一方で、介護業界やそこで働く人々にとっては成長市場であり、追い風が吹いているという側面もあります。

要介護度別認定者数も増加の一途を辿っている

高齢者の増加にともなって、要介護認定者数も増えてきています。2000年頃には218万人だったのが、今や633万人と3倍近くになりました。

年齢が高くなれば高くほど身体の衰えや病気によって要介護者の割合が高くなり、70代では12.8%ですが、80代は60%となります。高齢者の人口が増え、平均寿命も伸びているなか、今後も要介護認定者数が増加するのは間違いありません。介護職にとっても、対応する利用者の方の数が増え、年齢も高くなることが予測されます。お歳を召した重度の方を介護するといった機会が増えてくるでしょう。

目前に控えた2025年問題とは

今、介護業界では「2025年問題」が危惧されています。第一次ベビーブームのときに生まれ、日本高度経済成長を支えてきた「団塊世代」が75歳以上の後期高齢者を迎えるのが2025年です。団塊世代と言われる1947~1949年生まれの人口は664万人であり、日本人の4人に1人が75歳以上となり、介護対象者の人数も大幅に増加すると考えられています。一方で少子化の影響によって現役世代の人数は少なくなる一方です。

そこで問題となってくるのが受け皿。介護施設も、そこで働く介護職も、相対的に不足すると考えられています。特に東京周辺など都市部ではその傾向が顕著に現れるでしょう。

介護対象者の人数が増え、さまざまなケースに対応しなければいけないため、介護の技術や知識をしっかりと持っている介護職員を増やすことが喫緊の課題となっています。

介護職としての変化はどうなっていくのか

優しいだけでは難しくなっていく介護職

今まで介護の現場ではどちらかと言えば「ホスピタリティー」や「気が利く」といった「優しさ」が求められてきた傾向にありました。

もちろん、これからも介護職に人間性が求められるのは変わらないのですが、それだけでは厳しい状況になってくるでしょう。人手不足だからこそ、優しさに加えてより高い能力が求められるようになってきています。

多様化するニーズに応えるための知識や技術、限られた時間と人員で大勢の利用者の方をケアするための効率、新しい設備への対応力、利用者の方やそのご家族、他の介護職と上手くやっていくためのコミュニケーション能力など、実に幅広いスキルを身につける必要があります。

開発が進む介護業界

さまざまなニーズに応えていかなければならず、求められるレベルも上がっていくので、介護の仕事は大変になると思われるかもしれません。一方で、介護職の負担を減らす取り組みもさかんに行われています。

入浴やトイレの介助、車椅子への移乗などの際には利用者の方を抱きかかえる必要があります。介護職の身体的な負担を軽減するため、介護ロボットやパワースーツなどの開発が進んでいます。

また、AIを使って利用者の方が会話を楽しめるシステムもあります。人と話しているのと同じような効果があり、認知症などの予防につながると言われています。

AIがケアプランの作成を手助けしてくれるシステムもあり、実際に福岡県では補助制度もあるそうです。

確かに介護職の仕事は大変になっていく側面もあるのですが、同時に負担を軽減するための取り組みも行われているので、それほど身構える必要はないかもしれません。

社会の中心となりつつある介護業界

テレビ番組やイベントで情報発信が進む介護業界

これまで介護はどちらかというと注目されにくい仕事でした。しかし、これから世間のイメージも変わってくるでしょう。2019年から介護専門のテレビ番組が始まるなど、これまでにない動きが見られます。「介護甲子園」といったイベントもさかんに開催されるようになり、認知度アップや業界の活性化のための取り組みも行われています。

高齢者の数が増え、老老介護など介護に関わらざるを得ない人も増えていく中で、介護職に注目する人も増えてくるでしょう。

こうして社会の関心が高まると介護職の担い手も増えることが予想されます。国民の問題意識も高くなり、介護報酬の改善にもつながるかもしれません。

今はネガティブなイメージを持たれがちな介護業界ですが、多くの人々が関心を持ち、介護職の重要性ややりがいが認知されれば、業界全体がより良くなっていくでしょう。

悪質な施設は処分され、また選ばれなくなりつつある

介護の需要が伸びているなかで新しい介護施設がどんどん開設されてきました。なかには介護職に過重な労働を強いる施設も存在します。法令違反などによる指定取り消し処分などの件数も年々増加していて、2017年の時点で累計2445事業所にも及んでいます。

「介護の職場はブラックな所が多い」と見ることもできますが、裏を返せば業界の健全化が進んでいるとも考えられます。利用者がしっかりと調べて入居するように、そして働いている介護職が声を挙げるようになってきました。その結果、サービスの質が低い、職員が働きにくい施設は淘汰され、優良な施設のみが残るという流れになってきているのです。

業界全体でこうした動きがあるので、介護職の労働環境はどんどん改善されていくと思われます。

最後まで自分らしく暮らす為の地域包括ケアシステム

今、日本政府では「地域包括ケアシステム」の導入を推進しています。高齢者の方がこれまで住んできた地域で生活を続け、最期まで住み慣れた場所で過ごすことができるようにしようという取り組みです。

身体が不自由になってから介護を受けるのではなく予防介護を重視し、地域や介護施設、医療機関が一体となって高齢者をケアし、ときには社会での役割を担い、生きがいを感じてもらうことを目的としています。

もちろん、このシステムを機能させるためには介護職の存在、あるいは経験やノウハウが非常に需要です。

今後ますます介護職に期待が寄せられ、労働環境や待遇の改善が進んでいくと考えられています。

まとめ

少子高齢化社会のなかでさまざまなスキルや変化への対応力が求められるので、介護の仕事は大変なものになっていくのも事実です。しかし、介護の市場は拡大し続けていて、注目もされはじめています。これからの時代、介護が日本の中心的な役割の一つを担っていくようになるのは間違いありません。

給料、休み、労働時間などの待遇や労働環境の面での改善はもちろん、大きなやりがいが感じられる仕事に変化していくことが予想されます。

社会に必要とされ、高待遇を受けられる人材に成長する。介護職になるなら、変革期の今がチャンスです。

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