特別養護老人ホーム勤務 Oさん(40代/男性)

8年ほど飲食店で調理師として働いていた時、両親の看病・介護が必要となり、これをきっかけに退職。その後、特別養護老人ホームに就職し現在に至るまで12年間にわたって介護職を続けてこられました。
持ち前の明るさはみんなの元気の源でありムードメーカーにもなっています。
そんなOさんにインタビューさせていただきました。

Q.介護職に興味を持ったきっかけは何ですか?

大学生の頃から調理師に興味があって酒類卸問屋の営業として3年間働いたあと、調理師学校に入りました。
学校を卒業して東京の料理屋で働き8年が過ぎたころ、突然両親が大病にかかり面倒を見なくてはいけなくなりました。

フルタイムの仕事では十分な介護の時間が作れなかったため、派遣の仕事に切り替えて両親の看病・介護をしていました。
2年間ほど介護をしてきてようやく二人が落ち着いてきたので、そろそろ飲食店に復帰しようかなぁと思ったのですが、業界的に長時間労働が多いため何かあった時に心配でためらっていました。

そこで、考えたのが就業時間が決まっている給食担当。これなら飲食業だし介護の時間も作れると思い、たまたま特別養護老人ホームの面接を受けたんです。
そしたら「君、給食担当よりも介護職の方をやってみない?」と誘われました。実は祖父祖母に育てられていた時期があり、高齢の方に接することに抵抗はないし、むしろ好きなくらいでした。
「もし介護をやってみて難しかったら、調理担当になればいいよ」と言ってくれたので、やらない理由はありませんでした(笑)
でも実際に介護職に就いてみると、すごく面白くてハマってしまったんです。

そもそも自分の性格として、世話焼きで、人が好きだったことが大きいと思います。当時指導してくれた主任さんは、厳しくもあったのですが、同時に介護する楽しさも教えてくれました。その人がいたから今の自分がいると思うし、これからも続けていきたいと思っています。

Q.はじめて従事した施設から現在の施設に至るまでの
経歴を聞かせてください

最初の特別養護老人ホームを退職した理由は、「埼玉県にあたらしく特別養護老人ホームを立ち上げるので、ぜひ協力してくれないか?」と、声をかえていただいたからです。立ち上げに携われる機会ってなかなか無くて、良い経験ができると思ったため転職しました。それと同時期に介護福祉士の資格を取りました。

転職先での仕事は充実していました。
ただ、働き始めて6年半が経ったころ、妹が両親の面倒を見てくれることになりました。
今の仕事で経験も積ませてもらったし良いタイミングだなと思い、もう一度東京に出てみようかなと。
そして東京にある特別養護老人ホームに移りました。

でもせっかく東京に出たのですが、そこは職員が少なく就業時間がめちゃくちゃ長くて、シフトが夜勤明けからの夜勤明けなどハードワークでした。好きな仕事にしてもさすがに身体が持たなかったです…
そこで、きちんとワークライフバランスが保てそうな、現在働いている特別養護老人ホームにあらためて転職しました。

Q.なぜ特別養護老人ホーム選んだのですか?
また実際に働いてみて良かったと感じたことを
聞かせてください

特別養護老人ホームを選んだのは、他の介護施設と違い、入居者さんにとっての人生最後の場所だからです。終の棲家ともいいますね。人の人生の最後に関われるのって凄いことだと思うし、出来るなら自分が関わりたいと思いました。

高齢者の方って実はとても敏感で邪念が無くってピュアな状態になっていて、感じたことに対してすごく素直な反応が返ってきます。
なので感謝の言葉を言われた時は、心からの言葉だと思えてすごく嬉しいですし、やっていて良かったなぁと感じます。

あとは、高齢者の方ってふつうに人生の大先輩じゃないですか?
そんな多くの先輩方から、これまでの人生経験が聞けるというのも、この仕事の魅力の一つかなと感じています。
他の職業だとなかなか経験できないんじゃないかなぁ。
その方が人生で成し遂げたこと、失敗した経験、感動話など、深い話が聞けるのは本当に面白いですよ。

Q.介護職をするにあたって重視していることは何ですか?

仕事中にイラっとしてしまうことがあり、感情を抑えようと頑張るのですが、それでも伝わってしまうことがあります。
伝わってしまうと、私の感情につられて入居者さんも怒ってしまうことがあります。
なので、そういう時こそ余計に明るく振舞うように意識しています。

例えば、入居者さんから何度も何度も必要以上に呼ばれる時でも、「むしろ呼んでくれてありがとう!」って思うようにすることで、自分の感情をコントロールしています。今では慣れてきたのか、ストレスはあまり感じていません。

あとは、ご高齢なため色々なところが悪いとしても、普通の人がする普通の暮らしをさせてあげたいと思っています。
普通の暮らしの定義は十人十色ですので、その方にとってはどういう暮らしが普通の暮らしなのか?
これを知っておくことが大事だと思います。
例えば、いつ寝るのが気持ちいいのか?起きた後にすぐご飯を食べたいか?など、
本当に細かいところなんですが…

その入居者さんが安心できる居心地の良い場所を共有したい、と思って過ごすのは家族のようなものなのかもしれませんね。
自分を理解してもらえるのが家族。そして理解してくれる人がいる場所が、その人にとっての本当の居場所だと考えています。

人間関係は特に重視しています。対入居者さんだけでなく、スタッフ同士に関しても同じです。
良い雰囲気作りというのは、良い人間関係の構築に繋がっていると思います。
僕なんかは日々、全員を笑わせることを目標に働いています(笑)

Q.給与・休暇等について聞かせてください

給与については資格と経験によって違ってきますが、一般的に介護福祉士の資格を持って5年ほどやっていれば年収400万円以上にはなると思います。良い所はそれ以上な気がします。

休暇は月9〜10日くらいで、有給もあるけど、年末年始、季節休暇はないです。
有給は結構取得しやすいですよ。
ただ休みが多い分、業務量は凝縮されている感じがありますね。

Q.これから介護職を目指す人へのアドバイスはありますか?

資格うんぬんもありますが、まずは「人と接するのが好き」であれば、他業種からの転職でも全然問題ないと思います。
職場選びについては、実際入ってみないとわからないところもありますが、離職率は気にしたほうが良いかもしれません。
従来型の介護方法なのか、もしくは新しい試みであるユニットケアをしているかなど、介護方法を確認することも重要です。

また夜勤のショート、ロングはだいぶ違うので気にしておくべきですかね?
介護職を始めてからは、案外毎日が単調に感じられるかもしれないので、自分なりの楽しみ方を仕事に見出しておくことも大切だと思いますよ。

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