こんにちは!介護職のリアルで広報担当を務めるアズサです。
「介護の仕事」で活躍している先輩方に、年収・キャリアパス・介護職に興味を持ったきっかけ・やりがいなどをインタビューして「現場のリアルを知っていただこう」というのが本企画です。
今回は、「小規模多機能型居宅介護」の事業所でヘルパーとして活躍している北海道在住の男性Kさん(30代)に、お話を聞きました。
登場人物
インタビュー担当介護職のリアル広報担当 アズサ
インタビュー相手小規模多機能型居宅介護勤務 北海道 Kさん 30代
今回のインタビューでは、「介護の仕事って実際のところ、どうなの?」と疑問を抱いている方に向けて「お仕事の内容」や「メリット・デメリットに感じること」などについて、本音トークで語っていただきます。
Kさん、本日はよろしくお願いします!
はい、今日はよろしくお願いします!
介護の仕事に興味がある方のお力になれれば何よりです。
それでは、早速インタビューをスタートしますね。
まずは「現在のご職業」を教えてください。
私は現在、「小規模多機能型居宅介護」の事業所で、ヘルパーとして働いています。
いきなり、質問ですみません><
「小規模多機能型居宅介護」って何ですか?
聞きなれない言葉ですよね。
「小規模多機能型居宅介護」は、ざっくりいうと「介護サービスなんでも提供屋さん」といえばいいでしょうか。利用者さんの希望に応じて、柔軟に介護サービスを提供する形態のことをいいます。
介護サービスなんでも提供屋さん?
どういうことですか?無知ですみません……><
いえいえ、大丈夫ですよ。
介護サービスって、大きく分けると、この3つの携帯に分類できるんですよ。
- 1.デイサービス(利用者が介護施設に通う)
- 2.ショートステイ(利用者が介護施設に宿泊する)
- 3.ホームヘルプ(ヘルパーが自宅に訪問する)
そうですよね!
何となくわかります。
でも、時と場合によって「今日はデイサービスでレクレーションを楽しみたい」「明日は家族がいないから、ショートステイを利用したい」といった具合に、希望する「利用形態」が変わることが結構あるんです。
なるほど。
それは確かにありそうですね!
でも、普通は、完全に提供サービスが分かれていることが多いんです。
デイサービスしか提供しない会社、ショートステイしか提供しない会社といった具合ですね。
なるほど。
そうなると、利用者さんは、その都度、別の介会社と契約をしなくちゃダメですよね。それは結構めんどうかも。
新しい会社となると、不安も大きいだろうし……。
そうなんです。
面倒な手続きが増えるし、その都度、利用者さんも不安になります。
そこで「3つの介護サービスをワンストップで提供します」ということで登場したのが「小規模多機能型居宅介護」というサービス形態なんです。
「小規模多機能型居宅介護」ならば、デイサービス・ショートステイ・ホームヘルプを全部ひとつの施設で提供することができます。
慣れた施設なら安心だし、手続きもラクだし、利用者さんにとっては、すごくありがたい介護サービスですね!
だから、「介護サービスなんでも提供屋さん」なんですね。理解することができました!
そんなサービス形態があるなんて、知りませんでした。
2006年に登場したばかりだから、なかなか、知られていないと思います。
でも、アズサさんのおっしゃる通り、メリットだらけの介護サービスなんですよ。
具体的に、ほかにはどんなメリットがあるのですか?
第一に利用料ですね。
「月額定額制(3400円~ 2万7000円程度)」だから、金銭的な負担が少ないです。
あと、24時間365日開業しているから、困ったときに、いつでも利用できるのも、大きな魅力的だと思いますね。
なるほど。
ヘルパーにとってのメリットもありますよ。
小規模多機能型居宅介護事業所の場合、登録できる利用者数に限りがあるので、顔なじみの利用者さんが多いし、割と小さめでアットホームな施設が多いです。
だから、とっても働きやすい。
私が働いているところも、風通しがよく社風がいいです。
ヘルパーの就職先としても「小規模多機能型居宅介護」はおすすめです。
なるほど。それはとっても魅力的ですね。
すごく参考になります!
また一つ、勉強になりました!
いえいえ、お役に立てて嬉しいです。
話は変わりますが、Kさんが「介護の仕事」に興味をもたれた「きっかけ」も教えてください!
そうですね、一番の理由は「安定性」です。
「安定性」ですか?
日本は「少子高齢化」が進んでいます。
この流れは、今後も変わらないなかで「どんな業界だったら仕事がなくならないか?」と考えたときに「介護は将来的にも安定していそう」だと思ったんです。
たしかに、介護の仕事のニーズは増えることはあっても、減ることはないでしょうね。
介護の仕事は「手に職」ですしね。
介護関連だと「国家資格」もあるし、専門性の高い仕事だから、仕事がなくならない安心感が大きかったように思います。
なるほど、たしかにそうですね……。
すごーくわかります!
2020年はコロナ危機もありましたし「手に職」を持った方がいい!と、私も強く思いました! ><
そうですよね。
なかなか、不安定な時代だなと思います。
あと、そもそも、祖父・祖母が身近にいたことも、介護関係の仕事の志望理由として大きかったです。
おじいちゃん達と仲が良かったから「高齢者の役に立てる仕事は楽しそう」っていう期待感がありました。
なるほど。
おじいちゃんとおばあちゃんの存在が大きかったのですね!
そうですね。
実際、介護の仕事は、楽しいと感じますか?
そうですね。1日1日が「楽しい」と思える仕事です。
それは、とってもいいですね!!
「Kさんがいたからきたよ~」とか「今日は楽しかったよ」とか、そんな風に感謝の言葉をかけてくれる利用者さんもいます。
それが嬉しいです。
わー!すごくいいですね。
「人の役に立っている」という実感が湧きますね!
「人から感謝される仕事」に興味がある人は、ヘルパーに向いているかも。
そうですね。
誰かから「ありがとう」って直接いってもらえる仕事ってそうそうないですしね。
本当そうですね……!
ヘルパーの仕事の魅力について、とってもよく理解できました!
その一方で、お仕事をしていて「これはデメリットだな」と感じるようなことはありますか?
個人的には、たいへんだと思うことは少ないかもしれません。
でも、強いていうならば、利用者さんの体調が毎日違うので「健康状態のチェック」には細心の注意を払っています。
いつもと比べて具合が悪そうであれば「どう悪いのか」看護師さんに説明する必要があるし、そもそも「医師に診てもらう必要がありそうか」「家族に連絡する必要があるか」といったレベルで、細かく見極める必要があります。
デメリットではないですが「ヘルパーになるなら注意するべきポイント」だと思います。
なるほど「健康状態のチェック」ですね。
小さな変化にもしっかり気づけることが大切ですね。
そうですね。
ほかにも、何かヘルパーになるうえで知っておくべきことはありますか?
そうですね。
「小規模多機能型居宅介護」の事業所は、宿泊サービス(ショートステイ)のサービスも提供するため、夜勤があります。
眠いときもあるので、辛いなと感じることがありますね。
それは、確かにたいへんそうですね><
覚えておきます!
自分がキツそうであれば、「夜勤なし」を条件に探すといいかもしれないと思いました。
話は変わりますが「現在のお給料」についても教えていただけますか?
はい、もちろんです。
現在の年収は300万円くらいです。
毎年、昇給がありますし「夜勤手当」や「資格手当」もあります。北海道のなかでも、地域や学歴によって、お給料はかなり違うと思います。
なるほど。
年収・待遇ともに悪くないですね!
ちなみに、お休みもしっかりとれている感じですか?
はい、休みも取れています。
シフト制なので、月のお休みは10~12日くらい。カレンダー上の土日祝日の日数と連動している感じです。年間では合計150日くらいは休めていると思います。
よくよく考えてみると、待遇はいいかもしれませんね。
休みが取れなかった場合は、次月に繰り越せますし、有給もあります。夏季休暇もあります。
連休も取りやすいです。
社会福祉士の実習があって、どうしても休む必要があったときは、有給と公休を組み合わせて1週間のうち4日くらいお休みをいただきました。
介護の仕事って、ハードなイメージがありましたが、全然ちがいますね!
むしろ、すっごく働きやすそう。
そうですね。
とても働きやすいので、職場には感謝しています。
毎日、基本的には「定時帰り」です。ごくたまに、会議や勉強会がある場合に残業があるぐらいです。
会社としては「残業しないで早く帰って休んでね」というスタンスなので、とてもありがたいですね。
とってもいい会社ですね。
すごーくうらやましいです!><
ありがとうございます!
すごく恵まれているので、個人的にも満足しています。
基本的には転職したいとは思っていません。
でも、ずっと北海道にいるとも限らないし、将来を見据えて「介護関係の資格」は取得しています。
そうなんですか!Kさんは、とても堅実なんですね。
ちなみに、どんな資格をお持ちなんですか?
私が持っているのは「介護福祉士と「社会福祉士」の資格です。
「介護福祉士」の資格は、実務経験が3年以上になったタイミングで取得しました。
「社会福祉士」の資格は、今年の3月に取得したばかりです。
なるほど、2つも資格をお持ちなんですね!
すごい!尊敬しちゃいます。
いえいえ、とんでもないです。
「介護福祉士」は、高齢者やハンディキャップがある方の日常生活(食事・歩行・排泄・入浴など)のサポート能力を証明する国家資格です。
一方「社会福祉士」は、介護が必要な方の相談にのって、アドバイスや指導を行う仕事です。社会福祉士の資格を取得すると、相談の内容に応じて、福祉・保健・医療施設への橋渡しが行えるようになります。こちらも国家資格です。
なるほど。
それぞれ役割が違う「国家資格」なのですね。
そうですね。
一言でいえば、介護福祉士は「ヘルパーとしての実務能力を証明する資格」で、社会福祉士は「専門的な相談に対して、的確なアドバイスができることを証明する資格」といえるかもしれません。
ずっとヘルパーをやるのは、体力的にもキツそうなので、今後のことを考えて「社会福祉士」の資格を取得した感じです。
なるほど。確かに、ずっと体力がもつとは限りませんしね。
リスク回避になりますね!
「社会福祉士」は難易度が高い資格だって聞いたことがあります><
資格を取るのは、むずかしくなかったですか?
そうですね。
2017年の合格率では、介護福祉士が72.1%で、社会福祉士が25.8%ですから、社会福祉士の方がむずかしいです。
両方の資格を取っておくと、将来的にすごく役立ちそうですね!
「介護福祉士」の資格を取得して専門性を高めつつ、ヘルパーとしてのキャリアを築いていけば、「社会福祉士」になったときに「有益な助言ができるアドバイザー」として活躍できるはずですから。
「介護の仕事」を一生ものの仕事にしたいと考えるならば、両方の資格とも、取っておいて損はなさそうですね。
そうですね。
「将来的なキャリア」の話で盛り上がりましたが、現在Kさんが働いている「小規模多機能型居宅介護事業所」でのキャリアパスも知っておきたいです!
はい、もちろんです。
現在の職場でのキャリアパスは以下のような感じです。
【小規模多機能型居宅介護事業所におけるキャリアパスの一例】
1.ヘルパー(=現場スタッフ)
利用者さんに介護サービスを提供する
2.リーダー
ヘルパーとして現場で活動しつつ、パートスタッフさんを取りまとめるマネジメントも行う
3.係長(=現場の責任者)
現場に出ることもあるが、基本的には利用者さんの利用プランを策定したり、利用調整を行ったりする仕事がメインになる
4.課長
複数の部署を取りまとめる責任者として活動する
5.施設長
施設の責任者として、全般的なマネジメント業務を行う
6.理事長
社会福祉法人のトップとして、経営に携わる
なるほど!
キャリアパスとしては全部で6STEPあるというわけですね。
そうですね。そんな感じです。
僕は現在、リーダーとして、パートスタッフさんの取りまとめを行っています。将来的には「施設長」になれたらいいなと思っています。
おぉ!とても素晴らしいですね。
その際には、ぜひまたお会いしてお話を聞かせてください!
今回は、何から何までいろいろ教えてくださり、本当にありがとうございました!
最後になりますが、ヘルパーや介護の仕事に興味がある方に向けて、アドバイスやメッセージがあれば、お聞かせください。
介護の仕事で長くキャリアを積んでいきたいなら「ストレス解消方法を見つける」のが大切だと思います。
どんな仕事にも共通することだと思いますが、誰だって壁にぶつかったり、ストレスを感じたりすることはあるものです。
そういうときに、自分なりの「ストレス発散方法」があると、とてもいいと思います。
私はサッカーが好きなので、サッカーをしたり筋トレをしたり「身体を動かすこと」がストレス発散になっています。
美味しいものを食べたり、テレビやYoutubeを見たり、何でもいいと思いますよ。
とにかく、自分なりのストレス解消法を見つけてみてくださいね。
なるほど!
とても参考になります。
あと、嫌なことがあっても、あまり考えすぎないことが大切だと思います。
たとえば、上司からきついことを言われたとしても「そういう性格の人なんだ」と受け流すのが、いいのではないでしょうか。
確かに、考えすぎないことはすごく大切ですね!
とはいえ「職場選び」は慎重に行ってほしいと思います。
長く働きたいならば「社風」は大事です。
僕の所属している事業所は、風通しがよくて、すごく話しやすい雰囲気があります。
思ったこと・考えたことを伝えやすいので、たいへん働きやすいなと感じています。職場の人間関係が良好だと、長続きしやすいし、自分の満足度も上がりますよ。
そうですね。
職場の人間関係や社風は、転職前に分かっていると安心ですよね。
転職支援サービスなどを利用する場合は、エージェントから「職場の雰囲気」や「社風」を教えてもらうとよいかもしれませんね。
最後まで、たいへん勉強になりました。
本日は、どうもありがとうございました!
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