こんにちは!介護職のリアルで広報担当を務めるアズサです。 この企画では、これまで介護職で働いた方や現職の方を対象に、介護職についてのリアルな声をお届けしています。
今回は元特別養護老人ホームのケアマネジャーで、介護士歴25年のUさん(奈良県・50代前半)にお話を伺いました!
登場人物
インタビュー担当介護職のリアル広報担当 アズサ
インタビュー相手元特別養護老人ホーム勤務 奈良県 Uさん 50代前半
今回のインタビューでは、介護士歴25年という超ベテランのUさんに、どんな人が介護職に向いているのか、介護士からケアマネになるとどうなるのかといったことについて、お聞きしてみたいと思います。
Uさん、本日はどうぞよろしくお願いします。
はい。
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。
それでは早速インタビューを始めますね!
まずは現在のお仕事を教えてください。
実はついこの間まで介護の仕事をやっていたのですが、体調を崩してしまって、現在は自宅にいます。
それは大変でしたね…
でも、Uさんは介護職25年の経験をお持ちとのことで、素晴らしいキャリアですね!
ありがとうございます。
これからは自分の経験を活かして、地域に住む高齢者の方々を、何かの形でサポートできたらと思っています。
お仕事を離れても、高齢者のサポートを続けられるんですか?
はい。
これからは高齢者がますます増えて、自宅介護が必要になる人もどんどん増えますから、地域の連携はとても大切です。
自分にできることがあれば、お手伝いしたいと思っています。
そのお気持ち、とても素晴らしいです!
高齢化社会の問題は、本当に深刻ですよね。
では、話を前職のことに戻しますが、Uさんのこれまでのキャリアについて教えていただけますか?
最初は自動車の販売会社に勤めていましたが、介護のボランティアをやったことがきっかけで興味をもち、27歳のときに介護士に転職しました。
そうなんですか!
まったく違う仕事から、キャリアチェンジされたんですね。
ええ。
介護の仕事の方が、自分には合ってると思いました。
もともと実家で一緒に住んでいた祖母を、家族で介護したことがあるので、お年寄りと関わることには慣れていたからかもしません。
では、すんなり仕事に入れましたね。
そうですね。
お年寄りと話をするのが苦にならない人は、介護の仕事に向いていると思いますよ。
あ!
でももうひとつ、介護士に向いている人の特徴があります。
え!本当ですか?
それ、すごく聞きたいです。
私の経験からすると、やっぱり「素のままの自分でいられる人」が、介護士に向いていると思うんですよね。
ん?
「素のままの自分」・・・ですか??
というと、いったいどんな?(汗)
「自分は介護士だから、こうしなくちゃいけない」とか思わないで、ごく自然に入居者さんと付き合える人が、介護士には向いているのではないでしょうか。
介護職員という肩書きを外して、一人の人間として利用者さんと接することができるというか・・・。
なるほど~!
自分の家族のように、自然に接することができる人という感じですね。
そうです。
たとえば施設で毎日会うおばあちゃまが、ちょっと髪が乱れていたら、「あ、〇〇さん、今日はちょっと髪がいがんではりますね~」と言って、スッと髪を直したりできるような感じです。
それって、意外とできない人もいるんですか?
「私は介護職だから、これが仕事!」というように、枠を作ってしまう人もいて、そうすると入居者さんとなかなか打ち解けることができません。
なるほど~!
でも自然体で接する人には、入居者さんもいろんな話をしてくれるんですよ。
たとえば高齢者の方って、懐メロが好きって思っている人もいるんですけど、そんなことありません。
意外と氷川きよしの大ファンだったりして、一人ひとり個性がぜんぜん違うんです。
自然体でお付き合いをしていると、それがわかるようになるんですね。
ええ。
家族と同じように、いつも何気なくその人の側にいて、自然とお互いが気になる存在であることが大事だと思います。
介護の仕事って、利用者さんにポケットサイズのまごころを伝える仕事だと思うんですよ。
ポケットサイズですか!?
じゃあ逆に言えば、福祉の仕事に対する強い使命感みたいなものがなくても、できるっていうことですね。
もちろんです。
高齢者が好きで、素のままの自分を出せる人なら、誰にでもできる仕事だと思います。
超ベテラン介護職の方ならではの、深いアドバイス、ありがとうございます!
では、話を元に戻して、U様のこれまでのご経歴を引き続き教えてください。
27歳のときに特養(特別養護老人ホーム)に入って、2年ほど勤めました。
そのときに職場のリーダーから、「いま建設中の老健(介護老人保健施設)があるけど、行ってみる?」と言われ、老健に4年ほど勤めました。
あの・・・、
差し支えなければ、そのときのお給料はどのぐらいでしたか?
27歳のときに勤めた職場は、年収300万円ほどでした。
それが、役職の付かない給与としては一番高かったですね。
教えていただき、ありがとうございます!
その後、親の介護があってしばらくはデイサービスやグループホームのパート勤務をしましたが、5年前からまた正職員に戻り、特養のケアマネ(ケアマネジャー)になりました。
ケアマネになられてから、お給料は上がりましたか?
年収350万円ほどです。
え!
役職が付いても、あまり上がらないんですね。
地域的な違いもあると思いますけど、待遇のいい一部の施設を除けば、だいたいそんなもんですよ。
介護の仕事は、役職が付いてもそこまでお給料は上がりません。
教えていただき、ありがとうございます。
介護の仕事は、大幅な年収アップは期待できないですね。
そうですね。
介護の仕事は就職先には困らないのですが、お給料は生涯を通してそんなに高くないと思った方がいいと思います。
はい、肝に銘じておきます。
ところでケアマネさんは、どんなお仕事をするのでしょうか?
介護士さんは直接入居者さんのお世話をしますが、ケアマネは身体を動かすことはありません。
対人援助がほとんどです。
入居さんと、そのご家族への援助ということですね。
そうです。
入居者さんやご家族のお話を聞いて、今後どのように介護をしていったらいいかを、一緒に考えていく仕事です。
Uさんは、ケアマネと現場の介護職と、どちらがご自分に合っていると思いますか?
正直、私は持病があったので現場をあきらめてケアマネになりましたけど、本当は介護職の方が性に合ってましたね(笑)
介護の現場は、利用者さんにして差し上げたことが直で返ってくるので、満たされた気持ちになります。
なるほど~。
すごくわかります、その気持ち!
私だけじゃなくて、「ケアマネをやっていたけれど、やっぱり介護職に戻りたい」って思う人は、けっこういるんですよ。
え!
そうなんですか?
私の場合は、もともと入居者さんと話をするのが好きだったというのもありますけど、ケアマネの仕事はけっこうストレスが溜まります。
たとえば、どんなときに溜まっちゃいますか?
仕事柄、入居者さんやご家族のご事情をいろいろと伺うのですが、これがまたストレスが溜まるんです。
「いますぐ解決してほしい!」と思われていることが多くて、それをケアマネはひとつずつ頭の中で考えて、解決していかなければなりません。
ご家族の中には、切羽詰まった状況の方もおられますよね。
ええ。
本当にいろいろなお話を伺うのですが、守秘義務があるので、ケアマネはそれを絶対に誰にも言えないんです。
だから自分の中に溜まっちゃって、それがけっこうストレスになるんですよ。
なるほど、そういうことなんですね!
Uさんはもし仕事をお辞めにならなかったら、ケアマネを続けていましたか?
う~ん。
どうでしょう?
体調を崩していなかったら、しばらくはケアマネとして働いて、55歳ぐらいから運転手になったかもしれません。
運転手ですか?
ええ、55歳~60歳ぐらいから運転手の仕事に就く人は、けっこういるんですよ。
運転手もそれなりに大変ですけど、気持ち的にはケアマネより楽ですからね。
そうなんですか!
ケアマネは体力を使わなくて、楽なのではと思っていましたが、メンタル的にはかなりキツいお仕事なのですね。
利用者さんやご家族と何回か面談をして、これがベストと思ってケアプランをお出ししても、そのときには考えが変わっているということもよくありました。
ケアマネをしていて、やりがいを感じた瞬間はありますか?
自分がお出ししたケアプランが、利用者さんやご家族にとってピッタリだったときは、やっぱり嬉しかったですね。
なるほど~!
そういうときに、ケアマネさんはやりがいを感じるんですね。
残業や休日出勤などはありましたか?
介護職のときは残業がありましたけど、ケアマネになってからは、ほとんど定時(18時)に帰っていました。
イベントなどがあるとき以外は、休日出勤もありませんでしたし、そういう意味ではケアマネは楽かもしれません。
精神的には大変でも、そういった面では楽なんですね。
ええ。
それはあると思います。
年齢を重ねてくると、体力的にはピークを越えますから、現場の仕事が大変になってくる人もいるでしょう。
それをきっかけに、ケアマネになる人はいると思います。
Uさんの介護職人生の中で、最も心に残っていることは何ですか?
介護の職場で出会った一人の寮母さんのことは、今も忘れられません。
あ!
昔は介護職員のことを、「寮母」って呼んでたんですよ。
そうなんですか?
初めて知りました!
その寮母さんが、入居者さんに対してとても丁寧な対応をしていて、ときおり見せる笑顔がとても素晴らしかったんです。
その人を見て、自分の介護に対する考え方が変わりました。
すごく素敵な方だったんですね。
ええ。
でもその寮母さんが大病を患ってしまって、入院した病院にお見舞いに行ったんですけど、自分が介護福祉士の試験を受けることを知っていて、ベッドの上で「あなたなできる!」って応援してくれたんですよ。
でも本当は、寮母さんもその試験を受けようと思っていたんです。
ごめんなさい。
ちょっと涙が・・・。
寮母さん、Uさんの合格をさぞ願っていたでしょうね。
はい。
その寮母さんは残念ながら、試験の6日前に亡くなってしまいました。
それからはもう「寮母さんのためにも、絶対に試験に受かる!」と心に決めて、何とか介護福祉士の資格を取りました。
若い頃の、忘れられない思い出です。
なんて素敵なお話!
あ、また涙が・・・。
Uさん、本当に貴重なお話を、ありがとうございました。
最後にひと言、介護の仕事に就くべきかどうか迷っている方のために、大先輩からメッセージをいただけますか?
介護の仕事は、その人に「働きたい」という気持ちさえあれば、何歳になってからでも始められる仕事だと思います。
たとえば40代以降に始めても、その人さえ環境に順応できれば、問題なく働けます。
40代以降のキャリアチェンジもOKですか?
他の職種では、絶対に考えられないことですね。
ええ。
逆に40代以降に介護士になると、ちょうど入居者さんの息子・娘ぐらいの年代なので、入居者さんが話しやすいということもあると思います。
どんな年齢の人でも、その年齢なりの良さというのがあるので、やりたいと思う人は尻込みしないでチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
う~ん、なるほど!
やっぱり超ベテランの方のひと言には、説得力がありますね。
Uさん、今回は貴重なお話をたくさんいただき、ありがとうございました!
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